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2011年12月10日土曜日

「防寒対策」 日本語として正しい?

冬の寒さが募ってきてよく聞くフレーズに 
「万全な防寒対策を!」

ここで、広辞苑で「対策」を調べると、
「対策」ある問題や相手の態度、
      事件の状況に応じてとる方策

ということで、「○○対策」は○○に対して講じられる策。
「雨対策」、「寒さ/暑さ対策」、「紫外線対策」
「花粉対策」、「肌荒れ対策」、「災害対策」、
「犯罪対策」、「テロ対策」などなど、
○○には問題点や起こっては不都合な言葉がくるはず。

しかし、「対策」の意味を考えながら次はどうだろう。
 「防寒対策」
 「保湿対策」
 「節電対策」
 「省エネ対策」
ここで、「防寒」と「対策」がくっつくことを考えると、
「寒さを防ぐことを対策する」意味合いとなる。
結局、「防寒対策」とは寒いままじゃないか…。
文法として日本語としておかしいじゃないか!
また、「暑さ対策」は言っても「防暑対策」とは言わないのに。


ただ、「防寒対策」は、
テレビで聞いたり、検索でもよくヒットするので
世間一般にも馴染んでいるようだ。
「防寒対策」を載せている辞書もあるらしい。 
正しいのか、誤用なのか…。
疑問を感じている人は結構いるはず。

「防寒対策」が正しい意見としては、
“寒さを防ぐことへの対策”ではなく
“寒さを防ぐための対策”と捉えていると言う。
ほかにも、
「防火対策」、「防音対策」、「防水対策」、
「防虫対策」、「防臭対策」、「防犯対策」など。

だけど、納得できないなぁ。
某新聞社では、「防寒対策」は使わず、
「防寒」か「寒さ対策」を意識的に使うとのこと。
言葉の意味を厳密に考えるのならこの態度は正しい。

また、「防寒対策」は、
重複表現の一つとも考えられるのではないか…。

よく分からなくなってきたので、
重複表現の例文をたくさんみながら
笑って終わろうと思う。

「まず最初に」、「一番最後」、「後で後悔する」、
「排気ガス」、「IT技術」、「今現在」、「過信しすぎる」、
「頭痛が痛い」、「チゲ鍋」、「故障中」、「製造メーカー」、
「白い白線の内側に」、「小さい小石」、「フード付きパーカー」、
「余分なぜい肉」、「みぞれ混じり」、「全て一任する」、
「収入が入る」、「過半数を超える」、「存亡の危機」、
「クリスマスイブの夜」、「新年明けまして」、「元旦の朝」、
「返事を返す」、「被害を被る」、「快感を感じる」、
「思いがけないハプニング」、「断トツの1位」、
「挙式を挙げる」、「はっきりと断言する」、「満10周年」、
「捺印を押す」、「行動を行う」、「加工を加える」、
「炎天下のもと」、「最もベスト」、「馬から落馬する」、
「お身体御自愛ください」