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2012年4月3日火曜日

春の大嵐・台風並みの低気圧

この季節、「春の嵐」というように
低気圧が日本海を発達しながら進むことが多いけど、
今日のように日本海でここまで発達する低気圧はとても珍しい。
4月3日21時で中心気圧964hPa。。。
日本海に張り出した寒気と春の暖気の温度差が大きく、
低気圧は短時間で急発達する「爆弾低気圧」となった。
今回は「台風並の低気圧」とも言われたが、
中途半端な台風より台風らしく猛威をふるい、全国的に大荒れの天気。
関東地方も非常に強い南風が吹き荒れ、交通機関は大きく乱れた。
千葉市では18時52分に南南東 34.7メートルの最大瞬間風速を観測。

4月3日15時の実況天気図
4月3日15時の可視画像
4月3日21時の実況天気図
★主要地点の最大瞬間風速の記録(単位:m/s)
 秋田 26.7
 仙台 22.8
 山形 22.9 4月として1位
 東京 29.6
 横浜 30.6
 名古屋 28.6 4月として1位
 岐阜 28.4 4月として1位
 新潟 33.6 4月として1位
 金沢 33.1
 京都 24.3 4月として1位
 奈良 20.6
 大阪 28.6 4月として1位
 岡山 33.7 4月として1位
 松江 35.7 4月として1位
 高松 28.5 4月として1位
 佐賀 23.5 4月として1位
 宮崎 30.0 4月として1位
 鹿児島 23.9 4月として1位


あすは二十四節気の「清明」 
万物がすがすがしく明るく美しいころ。
風でチリやゴミが吹き飛ばされて、
気持ちのよい青空が広がりそうだ。
 
※(追記 4月4日)※
全国的に大荒れの天気をもたらした低気圧は、
オホーツク海に進んで中心気圧950hPaまで発達!
北陸と北日本で吹き返し?の西よりの風が吹き荒れ、
最大瞬間風速は
山形・酒田市で41.4メートル、秋田市で40.8メートル、
おまけに栃木・奥日光でも40.1メートルと
4月としては観測史上もっとも強い風が吹いた。
4月4日15時の実況天気図

※(さらに追記 4月8日)※
3日と4日にかけて、全国の80地点以上で観測史上最大の風速を記録。
全国に暴風雨をもたらした「爆弾低気圧」の成因について、気象庁気象研究所は、対流圏とより上部の成層圏の境目(対流圏界面)がくぼみ、その境目に沿い気流が上昇したことで、きれいな渦を巻く台風に似た構造になったとする分析結果を公表した。
爆弾低気圧が発達したメカニズム
一般的に気象の変化が起こるのは対流圏までで、対流圏界面はいわば気象現象の「天井」となる。気象研によると、地球規模の大気の蛇行に伴い、対流圏界面が 通常の高度1万メートル付近から5500メートル付近まで下降。
これが低気圧の西側に位置したため、くぼみの下部から界面に沿って気流が上昇する形となっ た。

また、対流圏界面が降下した影響で、気圧の谷が日本海上でも列島の近くに入り込み、東シナ海の暖かく湿った空気(暖湿流)が対馬海峡を通って気圧の谷へ流入。暖湿流の水蒸気が上昇して凝結する際に放出された熱で、低気圧付近の上昇気流が一層強められた。

非常に強まった低気圧は周辺の寒気を巻き込んで真ん中に暖気が取り残され(暖気核)きれいな渦を形成。通常は台風から温帯低気圧に変化するが、今回はその逆となった。

爆弾低気圧の中心気圧は2日午後9時の1006ヘクトパスカルから24時間で42ヘクトパスカルも低下。気象研によると、日本海でここまで急速に発達した低気圧は95年11月以来だという。