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2011年11月4日金曜日

晴れの特異日「文化の日」・小春日和の真相

きょう11月3日は「文化の日」
お天気的には「晴れの特異日」として有名である。

ここで特異日とは、「ある気象現象が現れる確率が高い日のこと。」
英語では「シンギュラリティ(singularity)」 と言うらしい。

秋の天気パターンは、低気圧と高気圧が交互に通過して
3~4日くらいの周期でコロコロ変わるのだが、
11月上旬あたりは優勢な移動性高気圧が日本付近を通過しやすい。


2011年11月3日「文化の日」を振り返ってみよう。
11月3日正午
日本付近は高気圧と高気圧の間、ということで気圧の谷に入った。
衛星画像を見てみると、北日本で晴れたほかは雲が多くなった。
11月3日正午(可視画像)
実を言うと、「文化の日」の“晴天率”はそこまで高くなかった。
本州の太平洋側で65~75%くらいの所が多く、確かに高めだが、
ちょうど時雨(しぐれ)の時季に入る日本海側では50%に届かない所もある。
「文化の日」は、芸術の秋、行楽の秋もあいまって行事が多く、
希望的観測から「晴れの特異日」となったのかも知れない。

11月4日だったら、広く高気圧に覆われて全国的に晴れたのに…
11月4日の予想天気図

そして、今年の「文化の日」は、11月とは思えない暖かさになった。
西日本では所々で気温が25度を超えて、季節外れの夏日!!
11月としては観測史上最高の“暑さ”という所もちらほら。

旧暦10月は別称「小春」ということで
ちょうどこの時期(旧暦10月)の晴天を「小春日和」というが、
ここ数日の晴天は「小春日和」とはイメージが違う。

例年この時期は、それなりに季節が進んで
時折シベリア大陸から寒気が流れ込んでくるようになる。
その冬のような寒さを体感したあと、高気圧が移動してきて、
春のようにホッとできるような穏やかな晴天に「小春日和」がふさわしい。
今は「小夏日和」って感じだ。


季節の歩みが足踏み状態の原因は、上空の“ジェット気流”だ。
例年のこの時期は日本付近までジェット気流(偏西風の強風軸)が
南下しているのだが、現在はまだ北海道の北側でウロウロしている。
ということで、日本付近には寒気が流れ込みにくい状況、
言い換えると、日本付近は暖かな空気に包まれやすい状況が続いている。
ジェット気流は北半球の中・高緯度を地球一周しているのだが、
今はそのコースが例年のこの時期より違うので
ニューヨークで季節外れの雪が降ったり、タイでは大洪水に見舞われたり。
11月2日は、鹿児島県の奄美地方の古仁屋で
1時間に143.5ミリという想像を絶する猛烈な雨が降って、
日本の観測史上9番目という大記録になった。
真夏レベルの高温多湿の空気が流れ込んだ。

この気温が高い状態は、週明け月曜日頃まで。
11月の第2週目は徐々に気温が下がって
この時期本来の寒さが戻ってくる気配だ。
気温の変動が大きい一週間となりそうなので、体調管理にご注意を。


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