9月上旬は大型台風が襲来しやすい時季。
立春から数えて210日目は「二百十日」(9月1日頃)
古くから、稲の開花期と台風の厄日が重なるということで
台風を警戒すべき日として、暦に載せられた。
ところが、2012年は、9月上旬を含め
台風が全く存在しない空白の11日間となった。
これは1951年の統計開始以来初めてのことである。
理由は、
優勢な太平洋高気圧の影響が考えられる。
高気圧が吹き出す乾いた北東風または東風が
台風発生場所のフィリピンの東海上に流れ込み、
対流活動が不活発だったことが挙げられる。
9月中旬に入る9月11日。
カロリン諸島で台風16号発生。
海水温の高い海域で一時900hPaまで気圧が下がり、
“猛烈で非常に大きい”台風にまで発達。
900hPaまで下がるのは
2010年13号の885hPa以来のこと。
20年に1度の最強クラスだった。
台風16号は18日に温帯低気圧に変わったが、
この低気圧に向かって、日本列島には南よりの暖かい空気が流れ込み、
気温が上がった所が多くなった。
とくに北陸と東北の日本海側では、
山を越えた風が高温になって吹くフェーン現象の効果も加わり
記録的な猛残暑に。。
秋田と青森では気温が36.1度まで上がって
9月として最高気温を記録。
また、18日夜には
静岡県で大気の状態が非常に不安定となり、
静岡市では1時間に50ミリを超える雨を観測。
磐田市では同時間帯に突風被害もあった。
特に静岡県には南から非常に大量の空気が流れ込み、
バックビルディング現象(先頭の積乱雲の風上に
次々と積乱雲が発生する)が形成されていたのかも知れない。
ただ、この気圧の谷(前線帯)が抜ければ、
異常なほどの残暑もやっと落ち着いて秋めいてくる気配。
秋の彼岸に入った。「暑さ寒さも彼岸まで」はあまりにも有名。
さわやかな秋空が待ち遠しい。