ここ2ヶ月、平均気温は全国的に平年より低い |
寒い原因は、寒気が流れ込んでいるからだけれども
では何故、この冬は日本付近に強い寒気が流れ込みやすいのか?
≪寒さの要因≫
①ラニーニャ現象の発生
②偏西風の蛇行
③北極振動(1月後半以降の寒さはこの要因も重なった)
①今冬はラニーニャ現象が発生していて、
南シナ海~ベンガル湾付近で熱帯の対流活動が活発になっている。
この影響で、大陸南部では高気圧が強まり、
南側のジェット気流(亜熱帯ジェット)が北偏している。
一方、その下流側の日本付近では、
平年よりジェット気流が南偏するようになり、
日本付近へ寒気が流れ込みやすくなっている。
※ラニーニャ現象が発生すると、日本では厳冬になりやすい。
②一方、北側のジェット気流(寒帯前線ジェット)が
今冬は蛇行が大きくなっており、
バイカル湖の西(東経90度付近)でリッジ(気圧の峰)が強まり、
シベリア高気圧が平年より発達している。
このため、日本付近への下層寒気の吹き出しが強まっている。
③11~1月前半は北極振動指数がプラス
(北極に寒気が蓄積しやすい気圧配置パターン)だったが、
1月半ば以降は北極振動指数がマイナス
(北極から中緯度に寒気が放出されやすい気圧配置パターン)に転じた。
向こう1か月も、この気圧配置パターンになりやすいと予想されている。
なお、今冬の状況は、2005/06年の冬「平成18年豪雪」と類似している。
【参考資料】
(1)2005年12月の寒冬の要因解説(気象庁より)
~大陸から日本付近にかけての状況が、今冬と類似している。
~この時もラニーニャ現象が発生していた。
(2)実況資料
①2011年12月の海面気圧と偏差図(気象庁より)
~シベリア高気圧のエリアがピンク色になっており、
高気圧が強まっていることを示している。
②北極振動指数(三重大学より)
〜1月半ば以降、マイナス(北極から中緯度に
寒気が放出されやすい気圧配置パターン)に転じた。
ということで、2月も例年より厳しい寒さが続く気配。
決して体を冷やさず、風邪やインフルエンザなんかに負けないようご自愛を。
決して体を冷やさず、風邪やインフルエンザなんかに負けないようご自愛を。