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2012年1月30日月曜日

2012年 今冬の寒さの要因

2011年12月~2012年1月を振り返ると、この冬は例年よりかなり寒いよね~。

ここ2ヶ月、平均気温は全国的に平年より低い

寒い原因は、寒気が流れ込んでいるからだけれども
では何故、この冬は日本付近に強い寒気が流れ込みやすいのか?

≪寒さの要因≫
①ラニーニャ現象の発生
②偏西風の蛇行
③北極振動(1月後半以降の寒さはこの要因も重なった)

①今冬はラニーニャ現象が発生していて、
 南シナ海~ベンガル湾付近で熱帯の対流活動が活発になっている。
 この影響で、大陸南部では高気圧が強まり、
 南側のジェット気流(亜熱帯ジェット)が北偏している。
 一方、その下流側の日本付近では、
 平年よりジェット気流が南偏するようになり、
 日本付近へ寒気が流れ込みやすくなっている。
 ※ラニーニャ現象が発生すると、日本では厳冬になりやすい。

②一方、北側のジェット気流(寒帯前線ジェット)が
 今冬は蛇行が大きくなっており、
 バイカル湖の西(東経90度付近)でリッジ(気圧の峰)が強まり、
 シベリア高気圧が平年より発達している。
 このため、日本付近への下層寒気の吹き出しが強まっている。

③11~1月前半は北極振動指数がプラス
(北極に寒気が蓄積しやすい気圧配置パターン)だったが、
 1月半ば以降は北極振動指数がマイナス
(北極から中緯度に寒気が放出されやすい気圧配置パターン)に転じた。
 向こう1か月も、この気圧配置パターンになりやすいと予想されている。


なお、今冬の状況は、2005/06年の冬「平成18年豪雪」と類似している。

【参考資料】
(1)200512月の寒冬の要因解説(気象庁より)
   ~大陸から日本付近にかけての状況が、今冬と類似している。
   ~この時もラニーニャ現象が発生していた。 

  
(2)実況資料
   201112月の海面気圧と偏差図(気象庁より)
   ~シベリア高気圧のエリアがピンク色になっており、
    高気圧が強まっていることを示している。


  ②北極振動指数(三重大学より)
   〜1月半ば以降、マイナス(北極から中緯度に
    寒気が放出されやすい気圧配置パターン)に転じた。


ということで、2月も例年より厳しい寒さが続く気配。
決して体を冷やさず、風邪やインフルエンザなんかに負けないようご自愛を。